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  新連載・エクセレントカンパニー
  成長注目企業の社長に聞く
  白鳥製薬(株)代表取締役社長 白鳥 豊 氏
会社プロフィール
企業名
白鳥製薬株式会社
資本金
9,500万円
従業員
170名(平成17年3月末現在)
設立年
昭和23年4月(創業 大正5年5月)
事業内容
医薬品原体、医薬品製剤、食品原料の製造
WEBサイト
活力ある21世紀の担い手はエクセレントカンパニー  意欲ある戦略的な経営者に登場して頂いた
お客様との共創により創出・創造し続ける
創業90周年を迎えた貴社の、生い立ちをお聞かせください
社長画像  当社は1916年の創業ですが、まだ私は生まれておりませんので、言い伝えという形でお話ししますが、当時世界は第一次世界大戦のさなかで、当然戦争当事国のドイツから戦略物資であるカフェインの輸入が途絶え、私の祖父がお茶から天然カフェインの抽出を試み、それに成功しました。今思えば、決して難しい技術ではないのですが其れを事業化したのが、当社の始まりでした。
 昭和50年前半までは、基本的には水抽出、水を使い医薬品を作るという事業をしておりました。それから有機溶剤を活用した合成へと展開し、現在は、技術を駆使して、医療薬品の原薬ですとか、重要中間体、機能性有機化合物などを有機合成の技術を持って製造しています。
 また、天然カフェインも天然物からの抽出物ですので、天然素材にも力を入れようということで、従来からの海外を含めた取引先あるいは人的ネットワークをつかって化学的に有用であると思われる素材を輸入し、其れを一部健康食品の原料につかっているという3つの事業を進めております。

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沿革

 失われた10年といわれる1990年代。世界的にも日本を取巻く経済社会環境は一変しました。長期にわたる不況が続く中で迎えた21世紀を、白鳥製薬は次なる新しい起業行動の時と考えています。不確実な時代を背景に、まったく新しい価値観が創生されようとしている時こそがチャンスと捉えているからです。

 企業が未来を創造するには、社員が自らの手で会社の進むべき道を発見し、構築し、挑戦しなければなりません。そのためには、謙虚に学習する企業文化を確立し、社員個々が自らのコア・コンピテンシーを高める努力をし、同時に会社は今までの製品やサービスにとらわれるのではなく、根底にある自社の機能・能力について熟慮し、コア・コンピタンスを明確にしなければなりません。

 このコア・コンピテンシーとコア・コンピタンスの融合を推し進めることこそが、顧客の皆様に新しい価値やサービスを提案できる21世紀に求められるビジネス・システムであると確信しています。白鳥製薬は人の健康と科学の美をお客様との共創により創出・創造しつづける企業でありたいと考えています。

どの様な企業戦略をお持ちですか
 当社は現在、「人の健康と科学の美をお客様との共創により創出・創造し続ける企業」を掲げております。「人の健康」とは、当社は医薬品の原料を造り其れを製剤メーカーに納め、其れが医薬品となる訳ですから当然健康産業には力を入れます。「科学の美」とは、当社は有機合成に力を入れて参りましたので、「化学」の方なのですが、あえて「科学」にしたというのは、機能性有機化合物材料という物はこれからの「科学」の世界の主流となるでしょうからその技術を追求します。また、天然素材を活用したいわゆる健康食品分野にも力を入れ、人の健康「美」という物を追求します。

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 受託製造
2010年への挑戦とはどの様なものですか
社長画像
 現在の「2010年挑戦」というビジョンを見直しています。新薬の製造ですとか、開発中の新薬の上市の目処ですとか不確定の要素も含めた今後の姿という物を明確にしておこうと考えました。また、この見直しを策定するに当たり、(1)当社は、現在将来に向けて、利益を出し続ける企業にする(2)当社は、現在将来に向けて、お客様との共創を大切にする企業にする(3)当社は、現在将来に向けて、従業員が安心して働ける作業環境を作る。この「3つの命題」と「経営ビジョン」を同時にクリアする物を策定してほしいとお願いしています。
 具体的には医薬品部門でいいますと、薬局・薬店で販売される一般用医薬品と医師の処方せんに基づく医療用医薬品の二つに分けられます。一般用医薬品関連としては、まだまだカフェインですとか、ノスカピン、テオフィリン等風邪薬などにつかわれる物ですが多くの製剤メーカー様とお取引頂いております。
 健康食品部門では、小規模ですが臨床やメカニズムの解明などをサイエンスの裏付けがある物をお手伝いしております関係で、エビデンスのある天然素材を使った健康食品に力を入れております。

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 白鳥製薬では天然素材を出発点とし、医薬品の原薬及び中間体の開発、機能性有機化合物の開発、美容及び健康食品の開発を長年にわたって手がけてきました。その結果、お客様より多大の信頼をいただいてまいりました。

 そうしたお客様の信頼に応えるために、社員ひとりひとりが自らの手で会社の進むべき道を発見し、構築することに、挑戦をしています。

 先進的であること、柔軟であること、創造的であることを全社員が常に心がけ、研究開発型企業として発展してきた白鳥製薬は、2010年に向けて「人の健康と科学の美をお客様とともに創出・創造していくこと」を使命と考えています。

ジェネリック医薬品についてはどうお考えですか
社長画像
 当社では前期よりジェネリック医薬品市場に参入するための勉強を進めております。欧米ではジェネリック医薬品の市場規模は医療用医薬品全体の40から50%近くになっていますが、日本の場合、まだジェネリック医薬品のつかわれている割合は数量ベースで15%程度、売上規模でいいますと医療用医薬品全体では6兆円ありますが、現在その5%程度しかありません。行政もジェネリック医薬品に同じ効能・効果があるならば、安い医薬品を使いなさいという指導が強まると思われますので、それに向けて市場参入したいと考えております。

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ジェネリック医薬品について
 最初に発売された薬(新薬)の特許期間が終了し、有効安全性が確かめられた後に売り出される医薬品(後発品)であり、同じ成分、同じ効き目の医薬品をより安価で提供できる。

 欧米では一般名(generic name)(成分名)で処方されることが多いためにジェネリック医薬品と呼ばれている。

知財情報
新工場を建設中とお聞きしましたが
現在平成18年夏の完成を目指して建設中です。これは平成17年4月施行の薬事法に基づき、GMP(医薬品の製造及び品質管理に関する基準)をクリアした工場です。ここでは海外にだす物を作る予定にしておりますので、完成すればFDA(米国食品医薬品局)の査察を受けることになりますがそれもクリアできます。

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社長の座右の銘、ご趣味は
社長画像「驕者必敗」と「自律自尊」です。前者はまああまり驕り高ぶると、負けますよという意味で、後者は自分を常に律しなさい、其れはやはり他人を思いやる気持ちから生まれる物で、結果、自分という者が尊ばれると、理解しています。
 趣味としては、現在健康管理もかねてウォーキングやソフトな筋力トレーニングなどをして自己管理をしています。学生時代は競技スキーをやっていました。3年ほど前に仲間と一緒に合宿に行ったところ、張り切りすぎて捻挫をして、膝を痛めてしまい、現在スキーは断念しております。

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白鳥製薬株式会社本社にて  代表取締役社長  白鳥 豊 氏
 聞き手 (財)経済産業調査会特別顧問  岡村 信克

この記事は当会の 会員資料 および 経済産業公報(2006年 2月17日号)に掲載されます。
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