当社が扱っている避雷器とは落雷で発生するサージ(過電圧、過電流)から電気機器を守るものです。父の亀太郎が音羽電器製作所を設立したのが昭和21年で、今年で創業60周年を迎えることができました。この間、当社が貫いてきたのは「雷と雷対策を極める。セラミックスを極める」ことです。当社の雷対策ビジネスが本格的にスタートしたのは昭和25年にPバルブ避雷器を商品化したとき。世の中にない全く新しい材料であったため、お客様の信頼を得て利用していただくまでに苦労しました。以来、電力、鉄道、通信などの分野に避雷器の普及を図ってきました。
この間常に技術の開発、生産設備と試験設備を新しくすることに力を入れてきました。バブル崩壊後、電力会社の投資抑制や製品価格の低下などで厳しい時期も、日本に一台しかない雷インパルス大電流発生装置など試験設備だけは継続的に導入してきました。これら設備は新製品開発などで威力を発揮していますし、当社しかない試験設備ということで受託試験というビジネスが出てきています。
人材面では、当社は長年、プロパー中心の純血主義できたのですが、私が社長に就任してからは神戸製鋼所、松下電器産業など、いろいろな企業から人材を得て技術、組織・運営面を強化しました。またバブル崩壊後、学生が就職難であったときに、人材を採るチャンスだと考えて数年間で約80名を採用しました。かれらが今、中堅クラスとして頑張っています。