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  新連載・エクセレントカンパニー
  成長注目企業の社長に聞く
中村ブレイス(株)中村 俊郎 氏
会社プロフィール
企業名
中村ブレイス株式会社
資本金
2,000万円
従業員
65人
設立年
昭和57年10月
事業内容
義肢装具、人工乳房、人体補正具の製作、販売
WEBサイト
活力ある21世紀の担い手はエクセレントカンパニー  意欲ある戦略的な経営者に登場して頂いた
体の不自由な方に元気を贈りたい
中小企業庁が選定した「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれたご感想をお聞かせください
画像 私たちが手がけているのは義肢装具の製作で、障害者の方一人一人に対応してものを作る地味な仕事です。今回、福祉的な色合いの画像強い医療の仕事に目を向けていただけたことを大変嬉しく思っています。1つの製品を作ることで、障害者の方に元気を与えることができたとすれば、私たちとしても嬉しいことで、このことを精神的な柱として今後もやっていきたいと思います。

インタビューの様子(概要)を動画でご覧いただけます
インタビュー前半
インタビュー前半
(約6.5MB)
インタビュー後半
インタビュー後半
(約5.9MB)
動画動作環境
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義肢装具会社を興されることになったきっかけは
画像 32年前、26歳の時に、生まれ育った島根県大田市の大森町に帰って、1人で会社を興しました。当時、石見銀山跡地である大森町はゴーストタウン化し、到底ものを作るような場所ではありませんでした。この町を選んだのは、こういった見方に挑戦したかったことと、そして、生まれた町を何とかしたいとの強い思いがあったからです。
 高校を卒業後、京都の老舗の義肢製作所で、約6年間、義肢製作の基礎を学びました。仕事の教科書もなく、先輩の仕事を見て覚える時代でした。何年か下積みを重ねていく中で、これはおもしろい仕事だ、将来、大切な仕事になっていくと痛感するとともに、もっともっと新しいものを作りたいとの気持ちが芽生えてきました。そのためには是非、義肢装具の先進地で学びたいと、米国に渡り、研修生として、約2年半、懸命に勉強しました。最先端の技術を吸収するとともに、企業はどんな立地条件であっても、やる気とやり通そうという熱意、それに幸運が重なればやっていけるという社会を知ることができたことは、大森町で会社を興す際に大きな心の支えとなりました。
会社を作られてからご苦労も多かったのでは
画像
 私は順風満帆にきたと思いますが、周りの方は苦労していると見ていたかもしれません。最初の1月間は仕事がゼロ。そのときに助けてくれたのが伯父でした。腰が痛いのでコルセットを作ってほしいと頼まれ、初めての製品を作りました。その後、お客様が2人となり、3人となっていきて、私からいえば、少しずつ順調に育ちました。やはり一生懸命、誠心誠意やっていれば、口コミなどで良心的な製品を作っていることが自然に伝わっていきます。徐々にお客様、取引していただける病院の数が増えました。現在、扱っている製品は膝のサポーター、義足、義手など様々な分野に広がり、約200種類の製品を作っています。
経営に当たって心がけてこられたことは
 創業の時から一貫していますが、自分たちが努力して、使う人の身に立って喜ばれるものを作り、提供していくことです。その中で私がやらなければいけないと考えたのは、若者を育てることです。創業1年目から噂を聞いて来てくれた若者を受け入れてきました。かつて世界有数の銀山があった町でもの作りをし、若者を育て、彼らが作った製品を日本の各地へ、お世話になった米国へ、さらには世界へと提供していきたい。それを担う若者を育てようと心がけてきました。その若者が新しい製品を開発してくれました。シリコーンゴム製の足底装具です。骨折の治療、扁平足の矯正などに使われる靴の中敷きで、これができたときに、やっと世界の人たちに喜んでもらえる自分たちの第1号製品ができたと思いました。この製品を20年間に約150万個作りました。100万人から120万人くらいの方に使っていただいているとみています。
今後の経営ビジョンについてお聞かせください
社長画像 これからも世界の人たちに喜んでいただける製品の開発に努力していきますが、今までのやり方に加えて、若い世代の新しい発想、世界的な見方、工学的なものの考え方も必要となります。しかし、基本は人を大切にすることだと思っています。メディカルアートのような芸術性をもった製品を作ろうと努力をしていますが、私がやりたいと思ったものの1つが人工乳房です。15年前から製作を始め、軌道に乗ってきています。
 そして、もう1つが人工肛門用装具です。日本の気候風土、食環境に合った製品を目指して、5年ほど前から開発してきました。取り外して簡単に洗えて、袋のみの使い捨てですので、ランニングコストが年間2万円から3万円くらいで済む経済性に優れたものです。反響も大きく、大変喜ばれています。今後、経営の基盤の1つになるものと期待しています。
地域のためにいろいろとご尽力されていますね
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 石見銀山遺跡を世界遺産にするためのお手伝いをしています。また、島根県の教育委員会の委員を8年間、最近の5年間は委員長を務めました。その中で、私が何か協力できるものはないかと考えて、散逸している古い資料、古地図、絵巻などを収集し、石見銀山遺跡を見にこられる方に少しでも文化的な面で協力しようと思っています。
石見銀山画像石見銀山画像石見銀山画像
中村ブレイスの歴史
会社概要会社概要
当社は多数の義肢装具士を擁し、臨床の最前線で医療スタッフの一員として義肢装具の適合・製造を行っております。

ここでの経験を元に義肢装具の開発を行い、各地の義肢装具製作所を通し、中村ブレイス製の製品を全国と世界の各地で使用して頂いております。

最近では、メディカルアート研究所を設立し、乳癌術後用人工乳房”ビビファイ”や、身体のあらゆる部分の欠損や損傷を補正する”スキルナー”の研究・開発を行っております。


JSAロゴ JABロゴ中村ブレイスは全部門(本社、メディカルアート研究所、東京事務所)で、 ISO14001(環境)、ISO9001(品質)の2つの認証(登録審査)を取得しています。

※義肢装具
義手と義足をまとめて義肢と言います。装具は身体の変形矯正や機能の代償、保護などを行うもので、腰痛用のコルセット、骨折治療器具等があります。
※義肢装具士
義肢装具の適合、装着を業とする国家資格者です。

沿革沿革

メディカルアート研究所メディカルアート研究所
シリコーンゴム製人口乳房ビビファイ
軽くてやわらか、ナチュラルなフィット感。あなただけの人口乳房です
シリコーンゴム製人工補正具スキルナー
事故や腫瘍手術などで身体の各部位を欠損された方や熱傷後の皮膚表面部の保護にスキルナーはお役に立ちます。 お一人お一人の症状に合わせてリアルに補正、製作いたします。
人工肛門用装具ジャストーマ
ストーマ(人口肛門)用装具の新しい常識。休日など在宅時にジャストーマをご利用いただくことにより、接着部にも休日を!
石見銀山情報石見銀山情報
2000年11月17日に行われた文化財保護審議会において、石見銀山遺跡(大田市、仁摩町、温泉津町)が「世界遺産暫定リスト」に追加されました。

中村ブレイス株式会社 本社にて 代表取締役 中村 俊郎 氏
聞き手  財団法人経済産業調査会編集特別顧問 岡村 信克

この記事は当会の 会員資料 および 経済産業公報(2006年 12月 8日号)に掲載されます。
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