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  新連載・エクセレントカンパニー
  成長注目企業の社長に聞く
株式会社ナノテック
会社プロフィール
企業名
株式会社メジャーシステム
所在地
埼玉県さいたま市岩槻区城南3−6−36
電話番号
048-798-7144
設立
1988年7月5日
資本金
3,000万円
事業内容
自家用電気工作物の試験調整工事(自主検査)・定期点検業務、高圧キュービクルの保安管理業務、受変電設備工事・新説工事の設計・施工・既設設備のリニューアル工事・キュービクル等の現地改造工事
WEBサイト
活力ある21世紀の担い手はエクセレントカンパニー  意欲ある戦略的な経営者に登場して頂いた
 東日本大震災による発電所の被災、原子力発電所の事故により、市民生活や産業にとって電源確保がいかに重要であるかが認識された。ライフラインである電気や通信で重要なのは、電気設備の安全・確実な運用である。そこで、今回は、受変電設備の保守点検、検査で成長著しい企業を取り上げた。

ライフラインの要−電気設備保守事業で成長する新鋭企業
東日本大震災が発生してから5カ月近くが経過しました。今回の大震災に対して、どのような感想をお持ちでしょうか
画像 まず3月11日の東日本大震災におきまして、被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。我々は震災のあった当日、最初に考えたのが、被災地は大津波に襲われて、海水により電源が駄目になったのではないかということです。電源がなくなると、ポンプで水を送っている水道が止まり、電気、水道という重要なライフラインが失われてしまったと思いました。
 日本では、近年、停電はほとんどありません。落雷の影響で一部で停電するくらいで、国民のほとんどは、まさか長期間の停電が起きるとは思ってもいなかったと思います。それだけに、今回の震災による停電は、皆様に大きな影響を与えたと思います。私どもも、震災直後は、地震の影響を受けられた自動車メーカー、カメラメーカーの工場の電気設備の復旧対応に追われました。
 それから、今回の原子力発電所事故については、いろいろと報道がありますが、日本がすごいと感じたのは、機動力についてです。大震災、原発事故の厳しい状況の中で、福島第一原子力発電所に東北電力からの送電線をつなぎ込んで電源を復旧させたのは、たいへんなことだったと思います。日本の技術力と行動力はとてつもなくすごいと感じました。

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貴社が手がけている高層ビル、大型工場などの受変電設備の保守点検とは、どのような仕事でしょうか
 初めに当社の事業内容を簡単に紹介しますと、大きく三つに分けられます。一つは高層ビルや工場などで使われる大型の受変電設備の工事とそれに関連した官公庁への申請・届出業務、および受変電設備竣工時の自主検査業務、二つ目は、ビルや工場の受変電設備の定期点検業務、三つ目が電気設備の様々な測定試験業務です。お話の定期点検業務はウエートが年々、高くなっています。
 我が国には、電気事業の運営および電気工作物の工事、維持、運用について定めた電気事業法があり、それに基づいて電力会社が電力をつくり、送電しています。その電力を使用する大型ビルなどは電気事業法に基づいて受変電設備の設置、保守を行います。
画像 受変電設備の定期点検業務は電気事業法で定められていて、1年に1回実施されています。大型ビル、工場などの受変電設備は保有者が行うことになっており、我々専門業者が保守点検のお手伝いをしています。日本で停電が少ないのは、電気設備の保守点検をきちっと実施していて不具合が起きないことも、その理由の一つです。
 最近はコンピューター設備、医療設備などを設置した建物が増えていて、こうしたところでは定期点検のための停電が難しくなっていますが、夜間、日曜日など、皆様が気が付かない時にきちっと点検をしています。
 さらに、本当に停電ができないところもあります。例えば、医療分野では患者さんに酸素を送る際や輸血、点滴に電気を使っていますので、ここでは停電はできません。そこで仮電源を設置し、そこからの電気供給に切り替えて、点検を行っています。点検作業としては、例えば、普段動かしていないところは1度動かして動作を確認したり、普段動いるところは摩耗していないかを点検しています。施設によって、それぞれ事情が違いますので、お客様の立場に立ってきちっと保守点検計画を作り、それに沿って安全に、質の高い点検を進めています
点検保守業務で難しい点は何でしょうか
 受変電設備の点検では、機器メーカーは自社の機器を点検しますが、我々が行っている点検は電気事業法に基づいた点検で、総合試験というものがあります。例えば、火災が発生したら非常用発電機が動きスプリンクラーのポンプが動くのか、あるいは大型ビルですと、電源が通常2系統(本線、予備線)になっていますので、本線側が停電したら、予備線に切り替わるのか、地震が発生したらエレベーターなど止める機器がきちっと止まるのかなど、模擬的に全部動くかどうかを点検します。こういった大がかりな総合試験は一番たいへんで、気を遣うところです。
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 古いビルは電源が1系統ですので、不具合が発生すると、交換をしていただくなどのアドバイスをして、停電が起きない形にしています。また、点検をした結果によっては、予算の関係もありますが、二重化してしていただくよう提案することもあります。
震災によって、お客様の電気設備保に安対する意識に変化はありましたか
 特に停電により病院関係の方の意識が大きく変わったと感じています。病院関係の方は今回、停電でどのような支障が起こるかが分りました。今後の停電に備えて自家発電設備を設置していきたいという話も多く、当社で設備の設計、設置を進めています。当社は工事部門を持っていますので、機器の改造、設置、総合試験などを行えます。
 また、国が消防用機器などの電源として使われる非常用発電機を、輸血用医療機器、人工透析用機器などに電気を供給する保安用電源に一部使ってもいいという暫定の法律を作りましたので、今後、自家発電関係が増えてくると思います。
受変電設備を24時間遠隔監視するシステム導入
スマートグリッド(次世代送電網)といった新しい技術が導入されようとしていますが、安全確保の観点から、電気事故の未然防止、設備の長寿命化についてはどのようにお考えでしょうか
画像 当社では、お客様の受変電設備の状況をインターネットを活用して常時監視するシステムを実験的に導入しています。受変電設備に不具合の発生を検出する装置を付け、そのデータを当社のサーバーに送ってもらい、監視しています。万一の際には、当社の担当者にメールで情報を送り、対応する体制を取っています。比較的小型の物件に検知装置を設置しています。
 大型ビルは防災センターなどで監視していますが、主として電気設備を運転される方がいるだけで、夜間などは人員が限られますので、故障を直すことはほとんどできません。我々は、監視システムの情報によって、どのような事故や不具合が発生しているかをいち早く察知できますので、直ちに対応する人員を手配して、予備の資機材を持って駆けつけることができます。
 今後は、そういうインターネットで受変電設備を24時間監視する時代が来ると考えて、先駆けてテストに入っています。当社は、それに応じた体制を組まなければならないのでたいへんですが、常時監視サービスを売り物にし、充実させていこうと考えています。
 試験段階ですが、うまく運用されていまして、お客様からはよろこばれています。例えば、ちょっとした不具合が起きたのを察知して、すぐにお客様に連絡を入れますと、お客様は、メジャーシステムはきちっと電気設備を見ていてくれるのだと安心されます。
 ただ、電気事業法には常時監視システムに関しての事項がありませんので、必要事項を入れていただけるように関係省庁にお願いをしています。
お客様に合った高信頼性の設備と高品質のサービスを提供
メジャーシステムのセールスポイント、強みは何でしょうか
 当社の強みの一つは、工事部門を持ち、受変電設備に関して企画から提案、施工、測定検査、保守までを一貫して行うことができることです。トータルサポートにより、お客様のニーズに合った信頼性の高い設備、品質の高い保守点検サービスを提供しています。今、ISOなどで品質管理が重要視されていますので、仕事の品質を良くするために、試験装置、測定器、工具は、公的機関で校正を受けた標準器や校正装置できちっと校正したものをそろえています。
 それから、東京事務所を強化しました。これまで東京・駒込に小さな営業所がありましたが、飯田橋に移転して、今年から本格的に活動を始めました。お客様との打ち合わせなどのサービス体制と情報収集機能を強化しました。さらに、当社は、細かい仕事、細かな打ち合わせをした時に、ほとんどお金をいただきません。「細かなことを言わず、損して得取れ」という気持ちでやっています。
今後、貴社がさらに発展するための課題は何でしょうか
画像 現在、この分野では若い技術者の確保が難しいことが問題となっています。ですから、社内に研修施設を設け、人材育成に取り組んでいます。モノづくりの分野ではいい機械を入れれば生産性が上がるでしょうが、保守点検業務は省力化が難しく人手に頼らざるを得ません。人間がすべてです。これまでは技術面でいろいろなことに取り組んできましたので、これからは高度な技術を身に付けた人材の育成をしっかりとやっていこうと考えています。
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電気設備の長期的な安全運行を目指す

事業内容事業内容

私たちが普段何気なく使用する電気。その源である受変電設備が、万が一故障したら…。長時間の停電が、多くの産業・商業施設に及ぼす影響は計り知れないものとなります。
トータルサポート

私たち株式会社メジャーシステムは、確かな技術で電気を安全に使用していただくお手伝いと、豊富な知識を活かした電気に関するトータルアドバイスを行っております。これらの事業を通じて、お客さまに快適で機能的な毎日をご提供いたします。

定期点検業務
ボルト締付点検受変電設備は、送電線から届く電気をお客様が使いやすいように変電し配電するための設備です。電気事故の未然防止はもちろん、設備の長寿命化も視野に入れ、当社ならではの技術と技能を駆使して、安全で高品質な点検を実施しております。当社が行う点検はメーカーが実施する機器点検とは異なり、自家用電気工作物保安規程に沿った点検となっております。

自主検査(試験調整工事)
高層ビル・大規模工場等の受変電設備66000ボルト、22000ボルト、6600ボルトの関係官庁への届出から自主検査まで総合的に支援いたします。
自主検査(試験調査工事)
規模や設備内容を十分考慮した上で検査チームを結成いたします。当社の組織力と技術力を最大限に発揮し、確実で迅速な検査を実現いたします。

電気設備工事
特高変圧器据付工事ビル・工場をはじめ、あらゆる建築物の受変電設備工事を行っております。信頼性の高い設備を提供するため、企画から提案・施工・保守まで一貫して行うことで、お客さまのあらゆるニーズにお応えいたします。


保安管理業務
キュービクルの保安管理当社は、関東経済産業局より認定され、高圧キュービクル(6600V)で受電している施設の電気設備保安管理業務を行っております

技術開発
1.電力測定
京都議定書の策定以降、温室効果ガス(CO 2)の削減が、あらゆる設備において重要な課題となっています。当社は、ビル・工場等の負荷設備の電力使用状況を測定し、的確な電力量削減のご提案を行っております。
電力測定

2.高調波測定
最近の電気機器には高調波電流を発生するものが多く、電力系統全体に電圧歪みという形で悪影響を及ぼすため、機器の誤動作・焼損といったさまざまなトラブルが発生します。当社は長年にわたって蓄積してきた経験と高い技術で測定と解析を行っております。

高調波測定

3.保護協調
保護継電器(OCR)の役割は、電力系統の事故(過電流・短絡)を検出して、すみやかに事故区間を切離し、他の健全回路を守ることにあります。当社では保護継電器試験技術を活かし、その施設の保護協調全体を検討し保護協調曲線を作成しております。

保護協調

4.赤外線サーモグラフィ装置
保護協調赤外線サーモグラフィとは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出・可視化し、温度分布の画像を表示する装置です。電源停止状態での点検では過熱箇所が発見できません。そこでサーモグラフィ(熱画像)測定を行うことにより活線状態において非接触温度測定が可能です。

5.経年劣化診断試験
高経年機器・ケーブルの継続運用可否や更新時期の判定が重要な課題となっています。当社では、耐電圧再試験・直流漏れ電流法等により、経年電気機器・高圧ケーブル等の絶縁診断を行い、更新時期の判定に役立てていただいております。

経年機器耐電圧再試経年機器耐電圧再試経年機器耐電圧再試

社内品質管理
当社では幅広い検査装置を自社で所有し、電気設備のあらゆる検査に対応しております。 常に適切な検査がお届けできるよう、装置の精度、社員の技術、両方に万全の管理を行っております。
社内品質管理
  1. 測定器の校正 トレーサビリティーの確立
  2. 社内技術研修
  3. 協力会社技術研修会
  4. 防護具定期点検
  5. 情報漏洩
情報漏洩

安全管理
安全管理当社は、労働安全衛生法令等を遵守し、安全最優先を目指しております。そのために全従業員が安全衛生に関する意識高揚と職場の環境改善に努め、労働災害の防止及び快適な職場を構築いたします。

株式会社メジャーシステム 東京支店にて 代表取締役 小松 隆雄 氏
聞き手  財団法人経済産業調査会編集特別顧問 岡村 信克

この記事は当会の 会員資料 および
 経済産業公報(いっとじゅけん版:暑中特集号)(2011年 8月 1日号)に掲載されます。
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