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  新連載・エクセレントカンパニー
  成長注目企業の社長に聞く
協栄産業株式会社株式会社
会社プロフィール
企業名
協栄産業株式会社
住所
栃木県小山市城東2−32−17
資本金
1,000万円
従業員
123人
設立
1985年10月
事業内容
合成樹脂の再生加工販売、産業廃棄物の収集運搬業、処分業(中間処理)、有効処理業など
WEBサイト
活力ある21世紀の担い手はエクセレントカンパニー  意欲ある戦略的な経営者に登場して頂いた
都市油田を開発し、循環型社会の構築に貢献する環境新進企業
今回の東日本大震災についてのお気持ちを
画像 東日本大震災によって被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。産業界も大きなダメージを受けておりますが、いまこそ、日本のものづくり産業は底力を発揮して、一刻も早くこの危機を乗り越えていかなければならないと思っています。

インタビューの様子(概要)を動画でご覧いただけます
インタビュー前半
インタビュー前半
(約11.8MB)
インタビュー後半
インタビュー後半
(約8.8MB)
動画動作環境
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「2010年版 ものづくり白書」で貴社が紹介されましたが、ご感想をお聞かせください
画像画像 私どものペットボトルリサイクル事業とその二酸化炭素削減効果が、日本の製造業が直面する資源環境制約への対応事例として紹介されたことは本当に驚きであり、大変名誉なことだと思っております。心より感謝申し上げます。
創業されたきっかけは
 1985年に、29歳で起業しました。当時は大量生産・大量消費・大量廃棄の時代で、再生可能な資源廃棄物もほとんど焼却あるいは埋め立てられていました。国土が狭く資源を輸入に頼る日本が、画像このままの姿で15年先に迫る21世紀を迎えられるはずがない、地下資源の少ない日本は廃棄物から資源を取り出して活用しなければ、いずれ国際競争力を保てなくなると考えたのが創業のきっかけでした。
 創業当時、多くの企業に何度も足を運び、資源リサイクルの必要性を訴えましたが、なかなか納得して頂けませんでした。企業側はリサイクルすることで知的財産の漏洩を危惧されていたからです。私は、そうした不安を払拭するために、どう回収し、どうリサイクルし、どう消費者に手渡されるのかを一緒に確認しましょうと提案しました。今で言うと「見える化」ですが、こうした取組みが多くの企業さまの理解を得て、ビデオテープ用フィルムなどポリエステル樹脂の再資源化事業を軌道に乗せることができました。その後も、社会に認めて頂ける企業を目指して経営して参りました。
貴社が提唱される「都市油田」とは
 使用済みペットボトルをしっかりとリサイクルすればバージン原料の代わりに使用することができ、鶏卵パック、衣類、自動車の内装材などさまざまな製品に加工され、皆さんの手元に戻ってきます。
画像
 日本には中東のように天然油田はありませんが、使用済みペットボトルを適正にリサイクルすれば、バージン原料の代わりに使用できることを考えると、使用済みペットボトルは石油を代替する資源であり、まさに毎日街から湧いて出てくる「都市油田」と言えるわけです。天然資源を持たない我が国において、この「都市油田」を開発し、有効活用していくことが必要であると考えております。
貴社の特徴はどのような点でしょうか
画像 私どもでは、さまざまな設備と人の目を使い徹底的に選別した後、特殊な洗浄により付着した異物などを極限にまで取り除ける技術を持っていることです。さらに、マテリアルリサイクル技術を高度化させたメカニカルリサイクルの設備、技術を備えていることも特徴です。真空・高温の条件下で再縮合重合反応を起こさせることで、樹脂に入り込んだ化学物質まで完全に取り除くことができます。
 また、再生ペレットの物性を水平展開したり、上げたりすることもできるので、バージン原料と同等の高品質なペレットを製造できます。従来のリサイクル方法や設備では、熱の影響で物性が劣化するために用途が限られていましたが、この技術によって資源循環の輪をあらゆる分野に広げられると考えております。エネルギー効率も良く、CO2削減にも貢献できます。
将来ビジョンをお聞かせください
 今回の大震災で飲み水が不足した時にペットボトル飲料が活躍しました。震災に強い容器としてますます重要視され、生産も増えていくとみています。
 そうした中、国内資源循環を更に進めていくためには、大きな求心力が働く水平リサイクルを本格的に行っていきたい。具体的には生産者である容器、飲料メーカーさんに再生PET樹脂を使って頂く「ボトル to ボトル」を実現したいと考えております。市民の皆さんや社会に受け入れられ、容器、飲料メーカーさんが是非使ってみたいと思って頂けるよう、私どもが付着・浸着した異物などをしっかりと取り除き、安全性を向上させ、バージン原料と同じ品質にまでもっていければ、展望が開けていくと考えております。石油資源の使用抑制やCO2排出抑制に繋がるペットボトルリサイクルは社会の大きな財産です。今後、更なる「都市油田開発」を進めることによって、未来に向けてのモノづくりの一翼を担っていきたいと思っております。
座右の銘、健康法は何でしょうか
画像 記憶に新しいリーマンショックなど、ここ10年、非常に厳しい経済環境が続いていることから、「常に最悪の事態を想定し、常に最善を尽くす」を社員、私の座右の銘として事業に取り組んでおります。
 健康法は、仕事をしているのが一番元気になるということと、月に一度のゴルフで気晴らしをすることです。
会社案内会社ロゴ

小山工場画像

ISO9001/14001画像


原油代替原料の製造・開発

業務概要
限りある貴重な資源を未来に残すため、石油の代替原料となるリサイクル原料の製造・開発を行っています。

ペット樹脂の高度化リサイクル設備
ペット樹脂の高度化リサイクル設備バージン原料の代替原料として、再生PET原料の品質と性能が求められています。弊社ではPET樹脂のあらゆる廃材の高度化ペレット加工が可能です。

生産工程で出る廃材の有効活用
高度化リサイクルによるメカニカルリサイクルで、バージン原料に匹敵する物性を確保。 お客様のニーズに応え、IV値コントロールが自在に可能です。(例:IV 0.55〜0.83) 特殊フィルターを使用し、異物を極限まで取り除きます。

フィルム端材リサイクル
フィルムの端材をリサイクル

光学用途、精密機械部品用途など
光学用途、精密機械部品用途など

極細長繊維の実現
極細長繊維の実現


コンパウンド製造事業
コンパウンド製造事業 弊社のコンパウンド事業はお客様のご希望に合わせたオーダーメード。研究・試作・試験・検証が可能な設備での一貫体制で、PETからポリオレフィン・エンプラまで、あらゆるリサイクル原料のニーズにお応えします。
研究
コンパウンド製造事業/研究製品化のためにリサイクル原料のどの物性の改善が必要なのかを研究
試作
コンパウンド製造事業/試作耐衝撃性/難燃性
耐候性/耐薬品性
流動性
お客様のご要望に合わせて材料・配合を検討し物性改善のための試作を行います
試験・検証
コンパウンド製造事業/試験・検証研究、試作、試験、検証を繰り返し、原料を仕上げます


環境に優しいノンハロゲン難燃リサイクル原料
回収したPETボトルから、高い難燃性と品質を有したリサイクル原料が誕生しました。
環境に優しいノンハロゲン難燃リサイクル原料
成型品はUL94V相当の燃焼試験においてV-0からV-2の実績があります。


低炭素社会の実現に向けた取り組み
低炭素社会の実現に向けた取り組み
原油からPET樹脂を製造した場合と、回収PETボトルから再生PET樹脂を製造した場合の削減効果63%
三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ
低炭素社会の実現に向けた取り組み
更に当社ではその削減効果を高めるべく63%を差し引いた残りの37%のCO2排出量を海外の風力発電プロジェクトなどで創出されたCER(排出権)を活用しオフセット「CO2排出実質ゼロ原料」カーボンニュートラルペレット(R)を提供しています。

品質管理を徹底した試験設備
開発・研究・品質管理に必要な各種試験・測定設備で、お客様のご要望にお応えしています。
IV測定装置メルトインデクサー(MFR)キャピラリーレオメーター






協栄産業株式会社 小山工場にて 代表取締役社長 古澤 栄一 氏
聞き手  財団法人経済産業調査会編集特別顧問 岡村 信克

この記事は当会の 会員資料 および 経済産業公報(2011年 5月 20日号)に掲載されます。
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