当社の事業は、自動車の塗装事業、看板や建物の内装・壁・天井を装飾する空間グラフィックス事業、それに付随するフィルムマーキング事業を大きな柱としています。フィルムマーキングというのは、バスやトラック、建物の内装などにデザインや広告を施したシートを貼り付ける表現法で、最近、よく見かけられると思います。
デサンを興すきっかけは、急逝した父の後を継ぎ家業の藤池塗装工業所の社長をしていた昭和45年に、米国各地でアルミ車体にカラフルなマーキングをして走るトラックを見たことが挙げられます。当時の日本は平ボディーにシートを掛け、ロープで縛っていた時代でした。
藤池塗装はタンクローリーなど特殊車両の塗装をメインに、塗装した車体に文字及びマークなどを書くのが仕事でした。当時、それらは手書きでしたが、それに代わる、3Mが開発したフィルムシートをカッティングにより製作したマークや文字を貼り付けるフリートマーキング方式をいち早く導入し、作業効率をアップ。さらに昭和56年に、家1軒分に相当する金額のコンピューターで文字・マークなどをカッティングする装置を思い切って導入しました。
そのころ、国内にもアルミバンのトラックが出てきましたが、そこには小く社名が書かれているだけ。もったいないと思ったときに米国で見た景色がよみがえり、「そうだ、フリートマーキング方式を使えば、タンクローリー以外にもトラックなどにマークやデザインが描け、商売になる。その市場は大きい。今やらなければ」と判断しデサンを興しました。もし、米国で見た昭和45年に日本で事業化していたら、恐らく時期尚早で失敗していたでしょうね。