屈折計は光の屈折という現象を利用して、液体中に溶けている糖、塩分、タンパク質などの濃度を測定する器具です。製品の約70%は飲料、食品関係で利用されていますが、石油化学、金属加工、臨床分野などさまざまな分野で利用されています。当社の製品はエントリー機種から高機能モデルまでありますが、エントリー機種ですと、ボタンが二つくらいしかなく、大変分かりやすく、使いやすいのが特徴です。これは売りやすさにもつながっています。当社製品は台数ベースで約80%が海外で販売されていますので、海外で売りやすいように極端な話、取扱説明書もいらないような分かりやすい製品の開発、モノづ
くりをしています。
当社の強みは、一つの機種を出して、それを展開していくのが巧みなところと思っています。そのきっかけとなるのがお客様からのこんな製品が作れますか、こんなことで困っていますなどの情報で、こうした情報が入りやすいのがトップシェア企業の強みです。この情報を吸い上げて、それを改善につなげて機種を増やしています。
当社が高いシェアを獲得できたのは、早い時期から輸出ができたからです。1940年に会社ができて、50年代にはもう輸出を始めました。その後、トップシェアとなり、よいスパイラルができたと思います。大きなヒット商品を出すのではなく、ニッチな分野で背伸びをせずに、専門メーカーならでは積み重ねた技術、経験を生かしてロングセラー商品を出してきました。輸出は商社を通さずに直接行っています。これも当社の強みです。海外から直接注文がきます。海外部の担当者はそれぞれ東アジア、ヨーロッパ西部、東欧などの担当地区を持って、販売からキャンペーンのやり方、代金回収、利益管理まで数字を常に意識してやっています。そういう意味では、自分で仕事をつくる社員にとっては面白い仕事です。