私は、2019年に、フランス発祥の
保険及び資産運用の世界的グループであ
るアクサの、日本法人である、アクサ生
命に加わり、CEOと同時にCHOとい
うタイトルを頂いた。どのような職務な
のか、担当者にいろいろと教わったとこ
ろ、「エンゲージメントと生産性の向上と
いう重要な目的のために、人事部門、統
括産業医、健康保険組合、会社の全部門
と協働して、全役職員の健康を推進する」
という役割、ということで、これは本気
でやらねばと思って進めてきた。いわば、
社内における「健康経営」の推進だ。
活動は、次の四つに大きく区分できる。
まず、従業員の健康状況を知ること。
このために毎年一回「健康習慣アンケー
ト」を実施して、回答を分析。また、同
じく年に一回、優れた健康アクションに
対して、CHOアワードも出して、発表
している。職場で独自のウォーキング・
キャンペーンを実施したり、食に注目し
て、ベジタブル・ランチを実行したり、
いろいろな取り組みが、あちこちのオ
フィスで進んでいるのを見ることができ
る。
二つ目は、「健康習慣アンケート」の
結果に応じて、「アクサ・ウエルネス・
プログラム」という従業員向けの健康推
進プログラムを適用すること。このプロ
グラムは、過去から徐々に進化している
が、現状、「食事」「運動」「睡眠」「メン
タルヘルス」「特定疾患(がん、糖尿病
など)」への対応策が含まれている。例
えば「食事」では、本社内にあるコンビ
ニエンスストアとコラボして、毎月テー
マを決めて、「おすすめ健康メニュー」
として店頭に掲示し、「運動」では、「ア
クサ健康スクラム」という名前で、五人
一組となって「みんチャレ」というアプ
リを使って、毎日の歩数を記録すること
により、ウォーキングを推進している。
私もチームを組んで、11月末時点で、
このアプリでの記録を1445日継続し
ている。
三つ目が、統括産業医、柿沼先生(通
称:ドクターかっきー)との取り組み。
毎月、ドクターかっきーによる「ヘルス・
キオスク」というプログラムを、昼休み
時間にオンラインで放映しており、従業
員のヘルス・リテラシー向上のお手伝い
をしている。ここでは、感染症の知識や、
お酒と健康、禁煙の進め、等様々なテー
マを取り上げている。
そして四つ目が、社外の認証である、
「健康経営優良法人認定」の取得。お陰様
で、私が入社する以前から、7年連続で
「ホワイト500」という大規模法人部門
トップ500に選ばれているが、このた
めに、健康診断の受診率、二次検診の受
診率などの重要な指標を調べて貰い、役
員会に定期的に報告してもらっている。
自分がCHOという役割を果たすこと
から、おのずから規則正しい生活、食事、
適度の運動、十分な睡眠を意識するよう
になり、自分自身の健康も良好に維持で
きている。
そして、この取り組みは、社内にとど
まらず、お客様に向けた健康経営の社会
啓発の取り組みと、一体となっている。
次号は、ライフスタイルアクセント株式会社代表取締役の山田敏夫氏にお願いいたします。