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リレーエッセイご執筆者に次号のご執筆者をご紹介頂きます2021. 11.  RIETI  LETTER
超高齢社会とデジタルトランスフォーメーション顔画像と経歴



  株式会社カナミックネットワーク代表取締役社長  山本 拓真

 ご存じの通り日本は世界一の長寿国で あり、世界一の高齢化率をほこる国であ る。この超高齢社会の日本において、今 回新型コロナウィルスによるパンデミッ クでヘルスケアの重要性に大きく注目が 集まっている。今までは、不動産バブル、 金融バブル、ITバブルなどが弾けて経 済がクラッシュしていたが、今回はヘル スケア(疫病)の問題で経済がクラッシュ してしまった。ある意味、このヘルスケ アと経済の繋がりは盲点だったのではな いかと感じている。

 人生100年時代、定年70歳など、 超高齢社会における新しい健康長寿の考 え方を創出していかないと豊かな人生が 送れない現代において、大きな方針転換 が必要になってきた。「少子化の加速」、「生 産人口の減少」、「平均賃金の低下」、「高 齢者の増加」、「要介護高齢者数が未就学 児数よりも多い」これだけたくさんの課 題を抱えている「課題先進国」の日本で は大きなパラダイムシフトが必要だと思 う。まずは、生産人口の考え方だ。

RIETI LETTER 表紙画像  人生100年時代で60歳定年から 40年余生を過ごすのは生き甲斐が足り ないと感じる。やはり、いつまでも人と 人の繋がりを大事にして社会参加をして いく人生が健康長寿には重要である。若 者に比べて体力面で劣る高齢者がAIや ロボット、ICTなどの相棒を手に入れ て、若者と一緒に働ける時代が来るべき で、「超高齢社会」にDX(デジタルトラ ンスフォーメーション)をすることが今後 の日本には最重要な目標ではないだろう か。また、日本の社会保障において重要 な医療と介護の分野におけるアナログな 現場を今回のコロナ禍で感じた方も多い はずだ。いまだにFAXを連絡手段にし ている先進国は世界では日本だけである。 やはり「ペーパレス」「ICT」を当たり 前にしていかないと生産性は向上しない。

 カナミックネットワークは、この医療・ 介護業界における生産性向上を支援する クラウドサービス、プラットフォームサー ビスを提供している。紙運用や事務の煩 雑な医療・介護業界は本当にICTソ リューションをするポイントがたくさん あり、やればやるほど現場が楽になって いくのが目に見えて感じられてとてもや りがいがある。超高齢社会の日本におい ては、まだまだ幅広い分野において生産 性向上できる部分がたくさんあると思う ので、国民皆で変えていく意識が重要だ。

 「イノベーション」は課題が多いコトこ そ起こしやすい。まさに超高齢社会の日 本はイノベーションの宝庫であると思う。

 この日本でヘルスケアを改善し、健康 長寿でやりがいのある人生100年時代 を実現し、充実した医療・介護を受けら れるイノベーションを起こせば、それが 世界に発信できるMADE IN JAPAN の ヘルスケアサービスやヘルステックにな り、輸出できるサービス産業になるので はないかと私は考えている。ピンチをチャ ンスに。それは超高齢社会×DXなので はないでしょうか。


次号は、一般社団法人日本スタートアップ支援協会代表理事の岡隆宏氏にお願いいたします。

リレーエッセイ 「超高齢社会とデジタルトランスフォーメーション」(リーチレター 2021年11月号)
株式会社カナミックネットワーク代表取締役社長  山本 拓真

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