早いもので、25歳で創業して昨年で30年経ちました。
弊社株式会社ビーズインターナショナルは米国企業から買収したストリート・カジュアルに特化したアパレルブランド“XLARGE(エクストララージ)”、“x-girl(エックスガール)”、“MILKFED(ミルクフェド)”を主商材に近年はアパレルに限らず、ストリートカルチャーを紹介提案する会社として国内に60店の直営店舗、アメリカと中国に子会社を設け、オーストラリアにも現地企業と代理店契約を結ぶなど、国内外への卸業務も順調に運
営しています。
「洋服はインターネットでは売れない」と言われていた頃から、インターネット通販(EC)に取り組んだお陰で50%以上の売上がECです。新型コロナの影響で直営店の営業が儘ならなくなってもこれまで以上のお客様が弊社自社ECサイト「CALIF(カリフ)」をはじめとするECサービスをご利用いただき、おかげさまで経営に影を落とすことなく現在に至ります。
創業来の私の運の良さについては、様々なメディアで話してきたので、ここでは割愛しますが、圧倒的な運の良さを感じながらもそれに依存せずに、感謝と謙虚を大切にすることで次の幸運を呼び込めたと感じています。また、失敗したときも「運に見放された」とは思わず、「もっと大きな失敗をする前にこれで済んでよかった」とか、「この失敗から、これを学んだ」と考える癖が付いています。でも決して、私は生来の楽天家なわけではなく、悩みますし後悔もします。大きな失敗をし、鬱病に苦しむ経験もしました。しかし、これまでの人生を通じて学んだことは、「悩むなら答えの出る方向で悩む」ということ。目の前の問題に「困った、困った」と言っていても解決に繋がらない。「この問題をどうやって乗り越えるか」について頭を使い工夫を凝らし行動すれば、現状を変えられる。そう信じて実行してきた結果、グループ売上200億円が見えるところにまで成長出来ました。
創業者として珍しいタイプかと思いますが、私には出来るだけ早く経営のトップの座から退き、周りから「まだまだやれる・これからなのに」と言われる年齢でリタイヤしたいという思いが30歳代の頃からありました。その為にそれを公言し、部下達への権限移譲を進めてきました。しかし、想定以上の会社の成長は、その夢を拒み続けましたが、ついに三年前、会社規模に見合い更なる成長を任せられる人材へのバトンタッチを実現、私は会長職に就きました。「会長による院政」とは真逆、ほぼすべての意思決定を社長に任せ、私はアドバイザーに徹しています。
法務やアート事業など、私が得意とする業務についての依頼が途絶えず、完全な隠居生活はまだ先ですが、それもあと少し。今年57歳、一般的な定年の歳も近くなってしまいましたが、何とかギリギリセーフで夢実現。バトンタッチしてからの売上が右肩上がりの成長路線であることも私の運のなせる業、まさに感謝・感謝です。
次号は、作詞家の売野雅勇氏にお願いいたします。