近頃コロナのお陰で時間が出来たので、古いテレビドラマを片っ端から見ています。人や街並み、時には生活習慣の変化などを見つけ、一人納得するという変な楽しみ方をしています。しかし、時代が変わっても仕事の成功や恋愛など、人が望むことに大きな変化は見受けられません。また、大河ドラマなどの時代劇を見ると20年前に製作されたものでも、物語の時代設定が遥かに古い江戸時代や戦国時代の場合は全く色褪せずに見ることが出来たりします。そして百年、あるいは何百年昔の物語でも人々の思う幸せに大きな違いが無い様に思えます。
コロナ禍においてマスコミではしきりに変化を促す、意図的な誘導ともとれる報道が見られますが、先ほどの古いドラマから見て取れる例からも、人々の基本的な価値観に大きな変化を与えるには及ばない事がわかります。もちろん生活習慣に与えた影響は多大で一時的または部分的に人々の価値観に影響を与えた事が少なくないとは言えるかも知れません。
しかしながら人の営みにある根本的な価値観である成功や幸せを求める気持ちや、平和や安心を求める気持ちを変える
には至りません。
私もコロナ禍の長い長いトンネルの中頃辺りから、業務を通じて色々な人達の様々な価値観について考えさせられる様になりました。それは当社を取り巻くステークホルダーであるお客様、取引業者、従業員、近隣様、株主様との関わり方です。つまり当社と様々なステークホルダーとの関り方が、先ほどから触れてきた各々の価値観に良い影響を及ぼす存在である
かどうかという事です。
当社は建設という事業を通じてお客様にサービスを提供しておりますが、それらが普遍的価値観に即したものであるか、つまり人々が本当に望む事を具現化することが出来ているかどうかと自問自答するに至っております。
当社は自身が創業百年を超えた企業であると共に、グループ内に創業千四百年の金剛組と創業千五十年の中村社寺を擁する企業体です。両社が千年に亘り生き延びて来た教えと当社自身の創業の精神を胸に刻み、当社企業理念の経営目標である「我が社に関わる全ての人々にリレーションシップを感じてもらえるようなユニークなグッドカンパニーを目標とする」を時代の変化に併せて貫いて参りたいとコロナ禍において改めて思いを致した次第です。
次号は、潟rーズインターナショナル代表取締役会長の皆川伸一郎氏にお願いいたします。