時代の進化には目を見張るものがある。さらに新型コロナウィルスの影響で否応なしに新たな生活様式に変化して行く。
働き方が変わり、生活や人間そのものも、関わり方も大きく変化した2020年。
起こってしまった環境の変化は、真正面から受け止めるしかない。誰彼のせいにしていてもそれは仕方ない事だ。
変化して行く環境に対しては「だからどうする?」「だから自分達は、我が社は、どう動く?」と嘆く前に知恵を絞りに絞り対応して行くしかない。
国が、政治が、行政が、ましてや新型コロナが悪いのだと言っている場合ではない。
葬儀ビジネスを生業としている弊社は、コロナ禍で自粛規制の対象にはならなかったものの三密のイメージは避けられずその影響はあった。
感染症対策は勿論、時差出勤・テレワーク・リモート会議等、お客様を、スタッフを、協力会社等を守るための対策はとことん講じた。
しかし、通夜・葬儀等を営む弊社は、二度とやり直しの出来ない場面と向き合っている。新様式を取り入れるのがあたかも正しいと「リモート葬儀」なるものがニュースソースとして取り扱われる。この葬儀ビジネスと言う業界に40年以上関わって思う。「人間は感情の生き物」だ。二度と会う事の出来ない最期の場面できちんと会って「感謝とありがとう」を伝えたい。伝えなければならない。それなのにそれが叶わない寂しさ、辛さを思うとリモート葬儀なるものが正しいとは到底思えない。
僕は全スタッフに伝えた。繰り返し繰り返し伝えた。葬儀は二度とやり直しが出来ない。会わなければならない事であり、二度と会えなくなる最期の場面だ、しっかりと最期のお別れをして頂き後悔しないためのサポートをして差し上げよう、と。どんな時代になろうとも、どんなに時代が進化・変化しようとも、世の中には「変わってはいけないもの」「変えてはいけないもの」がある。その大切なものの一つに「葬儀」と言う命が繋がりゆく最期の時、感謝とありがとうを伝える最期の時、があるのではないかと心から思う。ご縁ある方々と出会い、そのご縁に感謝を伝えるためにはリモートでは伝えられない人間の感情を「変えてはいけないもの」と心に刻み哀悼と共に感謝と感動を失わない葬儀社でありたいと我がスタッフと共にこだわっていきたいと思う。
次号は、iCure テクノロジー( 株) 代表取締役社長/CEO の小泉 英一氏にお願いいたします。