少子高齢化による日本の労働力人口の減少が叫ばれる中、女性や高齢者の労働参加、あるいは外国人労働者の受入れなどが議論されています。
それらの解決策のほかに、私はもっと皆が“兼業”すれば良いと考えています。一人で二人分、三人分の仕事をするのも、これからの日本を良くする一つの方法ではないでしょうか。
私はオイシックスの経営者でありながら、「TABLE FOR TWO International」、「東の食の会」、「ビヨンドトゥモロー」の三つの非営利団体に携わっています。
「TABLE FOR TWO」とは開発途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組む日本発の社会貢献運動で、私は理事を務めています。東日本大震災後には、東日本の食品産業の長期的支援を目的とした「東の食の会」、震災孤児や震災遺児をはじめとした被災児童にリーダーシップ教育を行う「ビヨンドトゥモロー」の二団体を立上げ、代表理事を務めています。いずれも、経営者として身につけたビジネススキルや視点をもって、非営利団体が直面する問題解決にあたっています。
これら非営利団体での経験から、非営利団体は想いや志がある方が集まるものの、ビジネス経験者が少ない傾向にあることが分かりました。また、組織や仕組みが十分ではないところが多く、マネジメント、マーケティング、経理、システムなど、あらゆるシーンでビジネススキルが必要とされます。一方、営利企業では、会社の規模が大きいほど、若いうちは発言権や活躍の場が少なく、自分のやりたい仕事の実現や実力を発揮したい人にとってはフラストレー
ションが溜りがちです。その両者がマッチングし、営利企業で働く人が非営利団体で働くことは、Win-Win になるのです。
非営利団体で働くことのメリットは他にもあります。社会貢献活動なので、多くの方の協力を得やすく、普段の自分の立場ではお目にかかれないような方とも出逢うことができます。ビジネスの現場だけではつくれなかった人脈を広げることができるのです。
兼業することにより、営利企業や非営利団体だけでなく、政府や自治体とのつながりもできていき、仕事と個人の活動との境界線がなくなっていきます。「どの企業で何をしているか」という肩書きではなく、海外のように、「個人がどんな社会貢献をしているか」で評価される時代が日本にもやってくると思います。
まずは企業のトップ自身が、兼業してみるべきではないでしょうか。それが、やがては一般社員にも広がってゆくと思います。それは個人の人生の豊かさにつながり、世の中の役にも立つのです。
申しそびれましたが、オイシックスでは有機や特別栽培の農産物などの安心食品宅配をインターネットで提供する事業を行っています。
兼業をするには、健康な心身が欠かせません。安心安全な野菜や無添加の加工食品など厳選食材が入った「Oisixおためしセット」をぜひお召し上がり下さい。