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リレーエッセイご執筆者に次号のご執筆者をご紹介頂きます2012. 4.  RIETI  LETTER
スポーツができること顔画像と経歴



ワイズ・スポーツ株式会社代表取締役 本間 浩輔

 「誠に残念ですが、日本は貧しい国になるでしょう」東北地方太平洋沖地震が発生して間もない2011年3月23日、米国家経済会議(NEC)前委員長のローレンス・サマーズ氏はそう述べたと報道されています。

 ローレンス・サマーズ氏と言えば、クリントン政権で米国の財務長官を務めた人物であり、二八歳でハーバード大学の教授となった、いわば秀才です。そして、経済に関する世界中のネットワークの中心にいる人で、我々が知りえない様々な情報にアクセスすることができるキイパーソンだと思います。

 そのサマーズ氏の発言が「日本は貧しい国になるでしょう」というものでした。このコメントが、東北地方太平洋沖地震の直後であったことを考えると、重く受け止めすぎないほうがよいのかもしれない。一方で、日本の将来を悲観的に感じている人も少なくないと思います。

 しかし、視点を変えてみると、この変化は「国民の幸せとは何か?」を問い直す、よいきっかけになるようにも思えてきます。たとえば、生活の質を表す指標の一つとしてもちいられる人間開発指数(HDI : Human Development Index)をみると、1位ノルウェー、2位オーストラリア、3位オランダの順(2011年)であり、必ずしも経済力とリンクしてはいないように思えます(ちなみに、日本の順位は12位で、スイス(11位)と香港(13位)にはさまれています)。

RIETI LETTER 表紙画像

 また、ブータンのように「グロスナショナルハッピネス( 国民総幸福量GNH: Gross National Happiness)」 の増加を政策の中心としている国もあります。すなわち、経済的な豊かさは、必ずしも「国民の幸せ」とは相関しない。悲観的になりすぎる必要はないのです。この国に住む人たちは、もっと幸せになれるのです。

 では、どうすれば、国民はもっと幸せになるのか?

 そこでスポーツの出番です。するスポーツ(Doスポーツ)は、身体の健康づくりに寄与します。するスポーツでは、ダイエットや健康づくりに目が行きがちですが、それだけでなく、スポーツをすると「すっきり」して、気持ちが前向きになります。

 次に、見るスポーツは「応援するよろこび」を提供してくれます。私が学生の頃には、前日のジャイアンツの勝敗と当日の機嫌が見事に一致するような先生がいたものですが、今はそこまでいかなくても、おらが町のチームの勝敗に一喜一憂している人も少なくないと思います。

 さらに、支えるスポーツも定着してきました。支えるスポーツとは、ボランティアなどとして、スポーツイベントやスポーツ選手を支えることを指しますが、長野冬季オリンピック( 1998年)、FIFAワールドカップ(2002年)、そして東京マラソン(2007年〜)と、支えるスポーツも市民権を得てきました。

 スポーツで、もっと幸せになりませんか?



次号は、株式会社スポーツビズ代表取締役、山本雅一氏にお願いします。
リレーエッセイ 「スポーツができること」  (リーチレター 2012年4月号)  ワイズ・スポーツ株式会社代表取締役 本間 浩輔

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