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リレーエッセイご執筆者に次号のご執筆者をご紹介頂きます2011. 11.  RIETI  LETTER
『ほんまもん』の伝承顔画像と経歴



TAKAMI BRIDAL 代表取締役  高見 重光

 ネット社会・デジタル化が進む中、携帯が普及し、facebookやツイッター、ブログなどのSNS(Social Network Service)を利用して、コミュニケーションを取るのが当たり前の世の中となりました。もちろんビジネスの上で、良い部分は取り入れていますが、今の時代だからこそ逆にアナログを見直す必要があると感じています。

 今はふとした疑問も全てインターネットが答えてくれる時代ですが、本来の日本の素晴らしい伝統・文化はネットや本では、表現仕切れないものがあります。良いものはいつも人の心の中にあり、重要なのは、人から人へ生きた言葉で伝わる口伝(くでん)≠ネのです。たとえ良いもの≠ノ付随する情報を忘れてしまったとしても、大事なものは必ず心に残ります。本物 =ほんまもん≠ノ対し、五感を研ぎ澄ませ、風合い・風味を自分自身で体感し、それを大切な人に伝える。子に…孫に…ひ孫に…と何世代も通じて語り継がれて行けば、それが伝統・文化・歴史となっていくのではないでしょうか。これは企業であっても同じこと。これから100年、200年続く企業を創ろうとするなら本物志向でなければいけない。それが私のコンセプトです。またブライダル業界においても、100年後、500年後、1000年後に、今のブライダル文化が日本のブライダルの根源だったのだといわれるようなものを創りたいと思っています。

RIETI LETTER 表紙画像

 Dunhillの創業者アルフレッド・ダンヒルの「良いものを知り、持つことを贅沢とは言わない」という言葉がありますが、ほんまもん≠ノ沢山触れ、見極める力をつけ、自らが伝承する力をもって伝道師≠ニなることが大切ではないでしょうか。そのためには常に探究心を持ち続けることが必要です。TAKAMIBRIDALは今年創業88周年を迎えましたが、こだわり続けてきたのは顧客満足の先にある感動の追求です。クルーには「美しくあること、本物を見ること、感動すること」を求めています。自分が感動した経験がないと、他の人を感動させることはできない。美的感覚を磨かないと、美しいものは提案できない。とにかくホンモノを知ってもらいたい…そういい続けてきました。

 ほんまもん≠フ定義は?とよく聞かれますが、私はいつも「今ここに、ほんまもんは存在しない」と答えます。値段でもなく、ブランド価値でもなく、根気・勇気・情熱・努力・時間という試練に耐えて、追求し続けること自体がほんまもん≠ネのではないでしょうか。



次号は、歌手の杏里さんにお願いします。
リレーエッセイ 「『ほんまもん』の伝承」  (リーチレター 2011年11月号)  TAKAMI BRIDAL 代表取締役  高見 重光

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