私の祖母であり、山野グループの創設者でもある山野愛子は関東大震災の非常事態のさなか、鏡の前で身だしなみを整える女性達の姿を見て、「どんな時でも美しくありたい」という女性の心理に触れたといいます。その当時の実話は2006年にドラマ化され、TVでも放映されました。美容の大切さに気付いた山野愛子は、震災後美容室を立ち上げ多くの女性の美を叶えてきただけでなく、美容は楽しいということ、前向きな気持ちになれるということ、美容を通して幸せになれるということを世に広め多くの人に伝えてきました。
ヤマノビューティメイトは、今回の東日本大震災で精神的に不安な状態が続いている被災者への「心のケア」に着目し、様々な活動に取り組んで参りました。企業として、被災地にシャンプー・洗顔料・タオル等の支援物資を届けることから始まり、被災地にサロンを構える「山野愛子どろんこ美容」のオーナーと共に被災地を廻らせていただきました。その活動を通して、現地の人と接していくうちに、どんな時でも美しくありたいと願う女性の想いは今も昔も変わらないということに気付くことができ、特にエステは外面だけでなく内面から不安を取り除く効果があることを実感しました。美容は優先順位の低いライフラインではありますが、傷ついた人達の心を癒し気持ちを明るくさせ、更には生き方を前向きにする力があると、私は確信してい
ます。
ヤマノビューティメイトの社長に就任して12年が経ちますが、山野愛子の精神を受け継ぎ、独自性や時代に合わせたビジネス展開をしてきました。山野愛子がどろんこ美容で美容業界に衝撃をもたらしたように、私自身も2003年に世界初となる「琥珀美容法」を生み出し、2004年からは理化学研究所と琥珀が肌にもたらす効果についての共同研究を開始しました。どろんこ美容も肌の自然治癒をコンセプトにしたものですが、琥珀美容にも創業以来の「肌本来の力を蘇らせる自然の力」にこだわるというポリシーが受け継がれています。さらに、高齢化が進む中で人生の残り時間を、豊かに幸せに健康に過ごす場を提供する「美容特化型介護福祉施設」という新しいビジネスモデルを計画しています。メイクやエステをほどこして痴呆症が改善した例もあるように、美容がもたらす精神的効果や可能性は今後の日本に欠かせない社会への取り組みの一つと考えています。
お客様の「美しさへの限りないこだわり」にお応えするのはもちろんのこと、さらにその一歩先の価値観まで社会に提供していくこと。それはまさに企業理念である「美容を通して人を幸せにする」ということにつながります。東日本大震災があり様々な問題がとりまく今だからこそ、美容のもつ力を多くの人に伝え、ヤマノから日本を元気に明るくしていき「美容を通して人を幸せにする」ことが私たちの使命です。その為にヤマノビューティメイトはこれからも進化し続けます。