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リレーエッセイご執筆者に次号のご執筆者をご紹介頂きます2006. 1.  RIETI  LETTER
変化、改革、リニューアル顔画像と経歴



財団法人 経済産業調査会
会長  小長  啓一

 昨年9月11日の総選挙の結果、郵政民営化関連法案は成立した。この後、政府関係金融機関の再編、三位一体改革の推進、特別会計の整理、統合、公務員制度の改革と給与水準の改定等が、俎上に乗せられ、小泉構造改革は、更に進展しようとしている。経済産業省は内外情勢の変化に対応する新産業創造戦略を策定し、新しい視野と立場と角度から企業経営に対して指針を提示している。

 日本経済は、全体として回復軌道に乗り、企業収益も改善しているが、中央と地方の較差、勝ち組と負け組の明暗等がハッキリしてきている。貿易面では、対中国貿易が対米貿易を上回る等構造的な変化の兆しが見える。私の関係している石油分野でも急激な構造変化が続いている。ここ2年来、原油価格の高騰が続き、WTIもバーレル60ドルの水準に達している。(1)世界経済の同時好況、特に中国、インドの高い成長に基づく需要の急増(2)それに対応すべき供給側における余剰生産能力の低下、ハリケーンの直撃等による製油能力の一時的減退(3)更に地勢学上のリスク(はかばかしく進まないイラク石油産業の復興、その他中東情勢の不安定化、ナイジェリア、ベネズエラの政情不安等々)(4)加えて投機資金の流入(20ドル位はこの影響と考えられる)等が要因として挙げられる。このような情勢の中で、特に中国は、官民の力を結集して資源確保に動いている。中東に原油の90%近くを依存しているわが国としては、一方において、供給ソースの多角化、省エネルギー推進、代替エネルギーの開発等の努力を続けながら、他方、中東産油国との相互依存関係の強化に力を尽くす必要がある。

 また、地球温暖化問題への対応も、昨年二月の京都議定書の発効をうけて本格化、具体化してきている。アメリカ、中国等の温室効果ガスの大量排出国が協定に参加していないという大問題が残されているが、わが国としては「環境と経済の両立」「革新的な技術開発」を指向しながら坦々と国際公約の達成に向けて総力を結集して取り組むことが重要である。このような内外の構造的変化に対応して、会報(RIETI LETTER)も思い切ったリニューアルが必要である。

RIETI LETTER 表紙画像 これまで「経済産業政策の動きが一目でわかる」ことをコンセプトに紙面づくりが行なわれてきたが、経済産業省自身のホームページ自体が充実してきているので、これに対抗することは難しい。そこで、例えば一つひとつの経済産業政策の評価、解説、政策に携わっている人たちの紹介、会員企業の立体的紹介(社長のプロフィールとステイトメント、社是、工場現場の説明等)、カレント・トピックス等を出来るだけ平易な、そして楽しい記事にして発信する等の新しいコンセプトをもって紙面刷新を図ったらどうかと思う。

 如何なる成功システムも30年経過すると陳腐化し、時代の要請に合わなくなる。関係会員企業からの積極的なご提案とご支援、ご協力を切にお願い申し上げる。



次号は(財)経済産業調査会理事長、野々内氏にお願いします。
リレーエッセイ 「変化、改革、リニューアル」  (リーチレター 2006年1月号)  財団法人 経済産業調査会  会長  小長  啓一

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