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  新連載・エクセレントカンパニー
  成長注目企業の社長に聞く
(株)田中製作所 田中 博文 氏
会社プロフィール
企業名
株式会社田中製作所
住所
鳥取県鳥取市気高町宝木1562−132
資本金
3,400万円
従業員
120人
創業年
1965年7月
事業内容
情報通信機器及びアミューズメント機器用金属プレス部品、コネクター、精密金型、樹脂成形品の製造
WEBサイト
活力ある21世紀の担い手はエクセレントカンパニー  意欲ある戦略的な経営者に登場して頂いた
独自の加工技術で高付加価値を創造
中小企業庁が選定した「元気なモノ作り中小企業300社」(2007年)に選ばれましたご感想を
画像小さな企業ですが、わずかながらも、日本のために役に立っているのだと評価していただき、大変励みになっています。来年度の新卒採用で応募していただいた学生も受賞のことを知っていましたし、金融機関からもぜひ取引をしていただきたいとのお話をいただいています。画像また、上海工場関係をはじめ新規の取引先には300社受賞を紹介した本をお持ちし、PRさせていただいています。人材募集、金融面、取引先との関係で大変よい影響が出ています。改めてすごい賞をいただいたのだと実感しています。

インタビューの様子(概要)を動画でご覧いただけます
インタビュー前半
インタビュー前半
(約7.2MB)
インタビュー後半
インタビュー後半
(約4.8MB)
動画動作環境
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今日の地位を築かれるには様々なご苦労があったのでは
 父である先代の社長・勇が電機会社を辞めて、1965年に鳥取市内で溶接とボール盤による穴開け加工の事業を始めました。その後、ステレオ、プリント基板の組み立て、プレス加工に進出。さらに、金型の自社生産やコネクターの生産にも乗り出しました。当社は創業以来、付加価値を高めるために、一つだけの仕事を手がけるのではなく、例えば、溶接もできれば同時に穴開け加工もできるという複合加工を目指してきました。

 創業以来、一番苦労したのは、オイルショックの時と急激な円高の時で、画像仕事が激減しました。当時、お得意さま1社に仕事の70〜80%を依存していて、そこの仕事が激減しましたので、影響は大きなものでした。その時の教訓として、1社に対する依存度を40%以下に抑えようと決め、新しい顧客開拓を積極的に進め、今は大手のお得意さまでも20〜30%の比率です。当社の業務を大きく分けますと、約60%がプレス加工、後の約40%がコネクター加工となっています。

携帯電話の機構部品のプレス加工に独自の方法を開発されて、高いシェアを獲得されています
 3軸プレス加工法と呼んでいますが、高強度ステンレス鋼の上下、左右、斜めからの三つのプレス加工を1工程で行うことができるものです。携帯電話はどんどん薄く、軽くなっています。その結果、落としても壊れないように、液晶画面を固定するバックパネルなどの機構部品に、ピアノ線よりも硬いステンレスを採用するようになってきています。しかし、硬いステンレスを複雑な形状に、精密に加工することは大変に難しく、この加工技術を保有しているところは少ないとみています。

 我々は、これまで培ってきた金型技術を活用して、特殊な精密金型を開発し、この複雑・精密な加工を可能としました。工程を大幅に短縮した3次元加工ですので、コスト面でも有利です。この分野で、我々は約10%の世界シェアを持っているとみています。プレス加工事業の約半分をこの携帯電話用の小型精密機能部品で占めています。

画像 今の3軸プレス加工法は、我々が理想としているものの30〜40%しか到達していませんので、さらに改良を加えていきます。経済産業省中小企業庁の戦略的基盤技術高度化支援事業の対象にしていただき、より複雑な形状の部品を高精度に加工できる特殊なプレス機、加工用ソフトウエア、精密金型を産業技術センター、大学の先生方などのご協力をいただいて開発に取り組んでいます。これまでダイカストで作っていた複雑な部品をプレス加工でできるようにし、生産コストも10分の1程度にすることを目標にしています。完成しますと、携帯電話部品以外の様々な分野で利用できるものと期待しています。

経営理念は何でしょうか
 創業25周年の時に「HEART(ハート)テクノロジー」と定めました。創業者に創業した時の思いを語っていただき、それを聞いた全社員にアンケートで画像意見を聞き、次長以上のメンバーで作りました。HEARTはHigh(高技術、高品質、高付加価値)、Expert(専門)、Active(躍動、実践)、Relation(絆、チームワーク、信頼関係)、Try(積極かつ果敢な挑戦)の頭文字を取ったもので、我々の目指す具体的な内容と戦略を示しています。今年9月からは「企業価値」を正式に表に出して、全社員が共通の意識をもって企業価値を高めていこうとしています。誠意・誠実をモットーにして、心の通う会社にしていきたいと思っています。
今後、どのような会社を目指されますか
 2010年にはこういう会社にしようという目標を2005年に作り、毎年更新しながら進めています。現在の売り上げ24億円を2010年に32億円にすることを目標の一つにしていますが、重要なのは中身の付加価値をいかに高めていくのかだと考えています。画像コストだけの勝負の時代は終わりましたので、高付加価値を創造する他社にない独自の加工を前面に出した会社にしていきます。それと併せて、創業以来の考えである、複合加工で付加価値を高め、完成品に近い部品にして納めていきたいと思っています。そのためには、やはり人材育成が重要で、次を担う課長、部長をはじめ人材の育成に力を入れていきます。社員の子供、親戚、知り合いをぜひ田中製作所に入れて欲しいと言われるような会社にしていきたいと考えています。
HEART technology
会社案内


環境
JSA(EMS)/JAB

製品・技術情報

品質方針お客様に信頼と満足を得る品質を提供する
JSA/QMS
● お客様の立場に立った製品作りを心がけ、トップレベルの品質を目指す
● さらに、お客様の満足を得られる魅力的な製品作りを創造する

精密金型技術最新の技術、斬新な発想、匠の技術により生まれる工品質の精密金型
ルーペのイメージ
私たちは、オンリーワンの付加価値創造型企業にチャレンジする事で、一人ひとりが、独自の高精度加工技術を習得し、知恵を出し、ノウハウを蓄積し付加価値を生み出す、そしてお客様へ、提案する金属は生きています、いかに金属の性質をよく知り、技の革新にチャレンジします。
【固有技術の蓄積】  精密金型設計
【160t順送プレス機】
【サブミクロンへの挑戦】
精密ワイヤ−放電加工機
【RYロボットプレスライン】
【1ミクロンの調整】  精密順送金型

金属プレス
生産設備・金型を最適の状態で管理してより質の高い生産活動を推進します
田中製作所は高い品質を維持するために不可欠な設備・金型を最適な状態で管理することはもとより、 培われた生産技術を駆使し三ムダラリ(ムダ・ムラ・ムリ)を排除していきます。
【160t順送プレス機】
加工品の要求品質に マッチした生産設備の導入
【160t順送プレス機】
【順送金型】
自社で設計・製作される精密金型
【RYロボットプレスライン】
自動化された加工ライン
【RYロボットプレスライン】
【金型自動ラック倉庫】
高品質を維持するために 最適な状態で管理します

【コネクタ製品組立工程】
コネクタ(コンタクトとハウジングを組合わせ導体同士の接合部品)の製造
組立自動梱包
組立自動梱包

組立工程
【コンタクトプレス工程】
コンタクト(電気接続をおこなう為の金属部品)の製造
プレス金型
プレス金型

プレス工程
【ハウジング成形工程】
ハウジング(コンタクトを保持する絶縁体)の製造
成形金型
成形金型

成形工程

製品紹介

パソコン
パソコン
OA機器、AV機器の液晶ディスプレイ用金属部品および記憶用カードケース、アダプターの構成部品

携帯電話・デジカメ
携帯電話・デジカメ
携帯電話・デジカメの液晶ディスプレイ用金属部品

電子秤
電子秤
電子秤の測定精度を支える機構用金属部品

製品一覧

株式会社田中製作所 本社・工場にて 代表取締役 田中 博文 氏
聞き手  財団法人経済産業調査会編集特別顧問 岡村 信克

この記事は当会の 会員資料 および 経済産業公報(2007年 11月 16日号)に掲載されます。
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