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  新連載・エクセレントカンパニー
  成長注目企業の社長に聞く
(株)榎本鋳工所 榎本 新一 氏
会社プロフィール
企業名
株式会社榎本鋳工所
住所
埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5−18−8
資本金
2,400万円
従業員
70人
創業年
昭和2年
事業内容
ダクタイル鋳鉄、ノビナイト鋳鉄、ニレジスト鋳鉄、ステンレス鋳鉄などの生産
WEBサイト
活力ある21世紀の担い手はエクセレントカンパニー  意欲ある戦略的な経営者に登場して頂いた
超低熱膨張鋳鉄で鋳物の未来を切り開く
「元気なモノ作り企業300社」(2007年)に選定されましたご感想を
画像 300社に選んでいただきましたことに大変感謝しております。当社を評価していただいたのが、超低熱膨張鋳鉄の「ノビナイト」ということですが、これは熱が加わっても熱膨張の極めて少ない鋳造素材です。昭和57年に開発し、62年に特許を取得しました。わずかな熱変位でも問題となる超精密な機械の構造材と画像してさまざまな分野で使われています。例えば半導体の製造装置、光学機器、超精密加工機械、人工衛星用高精度アンテナの金型など幅広く利用されています。発明大賞などいろいろな賞をいただきました。バブルの崩壊後の不況では、苦しい時期もありましたが、半導体、工作機械産業が再び盛んになって、「ノビナイト」も好調で、やっと社会的に認知されてきたと思っています。

インタビューの様子(概要)を動画でご覧いただけます
インタビュー前半
インタビュー前半
(約6.6MB)
インタビュー後半
インタビュー後半
(約3.4MB)
動画動作環境
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今年で創業80周年を迎えられますね
画像
 昭和2年に、父が川口市で鋳物メーカーとして創業しました。私は他の会社に勤めようと、大学では電気工学を専攻したのですが、急に当社に入ることになり、早稲田大学付属の鋳物研究所で鋳物について学びました。1年半の間でしたが、金属学の何を学んだらよいのかを知ることができました。当社に入ってからは、低周波電気炉、高周波電気炉の導入、ダクタイル鋳鉄、ニレジスト鋳鉄の生産を始めるなど積極的に新しいことに取り組んできました。社長に就任したのは昭和60年です。平成元年に資金を借りて、福島県に平田工場を新設したのですが、間もなくバブルが崩壊し、大変苦労しました。現在はある程度業績が上がり、元気な企業になりつつあるのかなと感じています。
「ノビナイト」はどのような経緯で開発されたのですか
 お客様からの「こういうものができないか」というニーズが開発のきっかけでした。あるエンジニアリング会社から、多軸穴開け加工用の治具が加工しているうちに熱で芯間がくるうので、熱膨張の少ないものはできないかという要望がありました。そこでニレジストの低熱膨張性鋳鉄を納入いたしましたが、これでは熱膨張が大きくて駄目だとなりました。それならば、我々でもっと熱膨張の小さい金属を開発してみようと決断し、研究に取り組み、「ノビナイト」を作ることに成功しました。本来、新しい金属を作るということは中小企業の仕事の範ちゅうではありませんが、ニーズがあったからこそ、我々は挑戦し開発することができました。

画像 「ノビナイト」は低熱膨張のほかに、耐熱性、制振性に優れるという特徴を持っています。また、さまざまなニーズに応えられるように低熱膨張と強度が必要な部品向けのものや、400〜500度Cでも熱膨張が少ないものなど種類を増やしています。耐熱性にも優れたものは、高速船の排気管の代替として採用され、最初はたくさん出ましたが、なかなか壊れないので、その後、販売が伸び悩んだという思わぬ悩みもあります。

 現在、伸びているのは半導体関係です。川上分野ではシリコンのインゴットを精密に切断する装置の構造材に使われています。またシリコンウエハーの研磨機械の研磨台や液晶製造などで使われる真空ポンプの部品も伸びています。

さらに成長するために、どのような手を打っていかれますか
 「ノビナイト」の販路を拡大していきます。例えば、半導体関係の川下分野を開拓していきます。半導体の検査装置、計測装置も高精度を要求されます。半導体と配線するワイヤーボンダー、リードフレームを打ち抜く高速プレス機の部品など、これまで考えていなかった分野からの需要が増えています。我々が知らないニーズがこれからも出てくる可能性が大きいですので、これをきっちりととらえて対応していきます。  鋳物は縁の下の力持ちですが、世界の産業を支えている工作機械の構造材が鋳物でなければ駄目なように、産業の根幹を支える重要な素材です。機能性、コスト、作りやすさ、後加工のしやすさを考えますと、まだまだ鋳物、鉄の時代は続くと思います。
経営革新法の適用を受けられて経営革新に取り組んでいますが、どのような会社にしたいとお考えですか
 まず体力を付けることが大切です。主体を「ノビナイト」に置いて、設備投資を体力に応じて積極的に行い、コストを下げ、利益も上げていきたいと思っています。普通鋳物は競争が厳しいですが、その中で、他の鋳物メーカーと差異化するために、鋳型を作る技術、製造工程の革新に取り組んでいきます。何といっても、利益が上がらなければ、従業員にも地域社会にも貢献できません。会社が継続できる体制にしていくことが最大の目標であり、将来ビジョンだと考えています。
座右の銘がありましたら
画像 座右の銘は、強いていえば「一期一会」ですか。「ノビナイト」の開発ができたのも、福島に出て、いろいろな人を知ることができたのも、出会いを大事にしてきたからだと思います。鋳物研究所で知り合った先生方、先輩、同級生、後輩など、その他多くの方々との人脈も、私にとって大きな財産です。そうした方々と出会ったことがあって現在があると思っています。
Corporate Guidance
会社案内
注湯イメージ

Product
製品案内

熱膨張でお困りではありませんか?
ノビナイトが解決します!
当社では、昭和62年低熱膨張鋳造品「ノビナイト」の特許取得以来、お客様からの様々なご要望にお答えしてまいりました。

用途によって採用の有無、メリット、デメリット等、この長年にわたり蓄積されたノウハウ・データは他社の追従を許さない当社のオリジナルの「低熱膨張鋳造品コンサルタント」としての基盤となっております。

製品企画段階からぜひご相談下さい。豊富なケーススタディの中から、的確なアドバイスをさせていただきます。


ノビナイトの種類と特徴
FC、FCD、ニレジスト鋳鉄等の一品物(試作品)から、他品種少数、量産ロットまでもお任せください。

FC、FCD、ニレジストの試作品から量産品まで
最近の工業技術の進歩は温度上昇によっても膨張しない低熱膨張材料の必要性をますます増大させています。

ノビナイトはそれらのニーズに対応して開発された優れた鋳造素材です。

ノビナイトは鋳造性に優れ、複雑な薄肉鋳物も可能であり切削性もFC、FCD並みと良好です。また制振性、耐食性、耐熱性、耐低温ぜい性等、オーステナイト特有のすぐれた特性を有しています。当社はニーズに応じて種々の特性を持つノビナイトを開発しています。


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Invar
Invar
S50C
S50C
SUS304
SUS304
FCD450
FCD450
SuperInver
Super Inver
Kovar
Kovar
CF-5
CF-5
CD-5
CD-5
CN-5
CN-5
CS-5
CS-5

Factory Guidance
工場/設備
平田工場

0.5t 電気炉
0.5t 電気炉

仕上げ
0.5t 電気炉
自硬性砂造型

成分分析室
0.5t 電気炉
熱処理炉

2t電気炉出湯
0.5t 電気炉
注湯

実験用電気炉
0.5t 電気炉
自動造型機

大物造型

株式会社榎本鋳工所 鷲宮工場事務センターにて 取締役会長 榎本 新一 氏
聞き手  財団法人経済産業調査会編集特別顧問 岡村 信克

この記事は当会の 会員資料 および 経済産業公報(2007年 10月 26日号)に掲載されます。
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