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リレーエッセイご執筆者に次号のご執筆者をご紹介頂きます2023. 11  RIETI  LETTER
スキルベース雇用の動きと、キャリア自律の重要性、そして全てにつながるリスキリングで日本の企業の競争力を高める顔画像と経歴



リンクトイン・ジャパン株式会社日本代表  田中  若菜

 あなたが今いる会社で働いている理由 はなんでしょうか。私はキャリアを歩ん でいく中で何度も自分に問いかけてきま した。

 日本の労働市場は少しずつですが、着 実に変わり始めています。日本で働く キャリアパーソンが就職から退職まで一 社のみでキャリアを終える「終身雇用」 はすでに少数派となっており、複数の転 職機会のなかで自分のキャリアを形成す る時代になってきています。

 厚生労働省の調べでは、2021年の 日本全体での離職率は13.9%で、この 10年ほどをみると13.16%台で推 移しています。離職理由の上位には「仕 事に興味を持てなかった」、「給料などの 収入が少なかった」などが上がっていま す。こうした潮流は若い世代になればな るほど強まっており、今後人材を採用す る企業側も、そして働く側もさらなる意 識改革が求められてきます。

 リンクトインのグローバル調査では、 転職する際に重視する条件として、「報 酬・福利厚生」、「ワークライフバランス」 に続き、「スキルアップ」、「キャリアアッ プ」が上位に入っています。一方、企業 側は人材獲得における優先事項として 「従業員のモチベーションとやる気の維 持」「従業員のスキル向上とリスキリン グ」を挙げています。世界を見渡すと、 ジョブ型雇用に象徴されるようにスキル ベースで人材を採用・評価する仕組みが 定着しつつあります。

 私は20年以上のキャリアのなかで経 営コンサルティング、メーカー、政府機 関などで働いてきました。転職先を選ぶ 際に大事にしてきたことは「自分がその 会社、組織において何を求められている のか、何をもたらすことができるのか」 ということでした。新しい会社や新しい 役職、役割に挑戦する時には、すでに自 身が持っているスキルを活かすだけでな く、新たな知識やスキルを習得する必要 があります。

RIETI LETTER 表紙画像  23年3月からリンクトイン・ジャパン の日本代表に就任しました。9億5000万人以上が使う世界最大のプロフェッ ショナルネットワークのリンクトインは 「世界で働くすべての人のために、経済的 なチャンスを作り出す」というビジョンの 下、企業側が求める人材を採用できるサー ビスや、キャリアパーソンがスキルアップ をするためのラーニングプラットフォーム などを提供しています。

 日本でもリスキリングという言葉が定 着しつつあるなかで、個人として継続的 にスキルアップしていくことは自律的な キャリア形成に不可欠です。eラーニン グのプラットフォームである「リンクト インラーニング」で、日本で視聴された コースは「ビジネス英語」「クリティカル シンキング」「戦略的思考術」などが上位 に入りました。世界では13か国語で 2万を超えるコースがあり、日本人講師 や日本語字幕で視聴できるコースは1万 以上もあります。日本の利用者数は 300万人を超えており、多くの企業も 活用しています。個人としてだけでなく、 企業もこうしたサービスを活用し従業員 のキャリアアップを実現できる環境を整 えていくことが、企業の競争力向上のた め非常に重要となっています。


次号は、アクサ生命保険株式会社代表取締役社長兼CEOの安渕聖司氏にお願いいたします。

リレーエッセイ 「スキルベース雇用の動きと、キャリア自律の重要性、そして全てにつながるリスキリングで日本の企業の競争力を高める」(リーチレター 2023年11月号) リンクトイン・ジャパン株式会社日本代表  田中  若菜

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