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リレーエッセイご執筆者に次号のご執筆者をご紹介頂きます2006. 2.  RIETI  LETTER
皆で明るく挨拶をしよう会顔画像と経歴



財団法人  経済産業調査会
  理事長  野々内  

 毎日の新聞やTVのニュースで、暗い話題 が多いと感じるのは私のみでは無いと思いま す。夏目漱石が、 「草枕」の冒頭で「山路を登 りながら、こう考えた。 (略)兎角に人の世 は住みにくい。 (略)」と書いておりますが、な んとかしてこの世を、少しでも明るく住み やすくしたいものと思いませんか。そこで、 八年ほど前に、私も考えました。日本中に 「挨拶」をする運動を拡げてみようと。

 友人数名で始めて見たところ、あっとい う間に広がりました。今では、全国に数百 名の会員がおります。支部も幾つかできま した。会則も入会金や年会費もありません。 ただ、挨拶の輪を拡げようと思う人たちが、 事務局に会員登録をし、統一されたデザイ ンの名刺を作るのみです。(費用はすべて 自己負担です。)

 朝起きたら、お互いに「おはよう」、食事 の前に「頂きます」。終わったら「ごちそうさ ま」出かけるときは「いってまいります」 「いっ てらっしゃい」。帰宅したら「ただいま」 「お帰 りなさい」が言える家庭は、きっと、良い子 供が育っていくことと思います。私の小学生 時代(戦時中でした)、食時前には手をあわ せて「天地御代の御恵み、父母や主上のご恩 味わえ、兵隊さん有り難う、頂きます」(あ めつちみよのおんめぐみ)と言ったのを今で も覚えています。食事の前に手を合わせる 習慣は未だに残っています。孫の男の子がや っとしゃべれるようなった頃、母親が、食後 に「ごちそうさまでした」と言う躾をしまし た。遊び盛りでしたので、孫は食事が終わ るやいなや「…た」と言って、飛び出していっ たことは、懐かしい思い出です。

RIETI LETTER 表紙画像  高野山の宿坊「天徳院」に泊めて頂いたと き、食事の箸紙に(食前のことば) 「一滴の水 にも天地のめぐみがこもっております。一粒 の米にも万人の力が加わっております。あり がたくいただきましょう。」、 (食後のことば) 「ご馳走さま」と書いてありました。

最近、子供には「知らないヒトと口をきい てはいけません」と教えているようです。情 けないことです。むしろ、知らないヒトにも どんどん「こんにちは」と挨拶をしましょう。 ただし、知らないヒトにはついて行ってはいけ ません。と教育すべきです。私は、今住んで いる同じマンションの建物のエレベータで会っ たヒトには、 「こんにちは」と挨拶をします。 必ず返事が返ってきます。しかし、団地の中 の道やゴミ捨て場で挨拶をしても、返事を しない人がいます。夜、暗い道ですれ違うと きは「こんばんわ」とお互いに声をかけるべ きです。これは「あなたを害する気はありま せん」との意思表示です。しかし、日本では 「変なおじさん」と言わんばかりに無視して そそくさと早足で逃げていきます。

 外国人との会合で、これを話題にします と、大いに共感を得ます。最近の子供たち は、礼儀を知らないというのが世界の大人 たちの共通の印象です。

 職場でも、同僚やお客さんと積極的に明 るく挨拶をする会社は、きっと発展する会 社だと思います。世界中に「明るく挨拶を する運動」を広めたいものです。



次号は日本プロ野球組織コミッショナー、 根來泰周氏にお願いします。
リレーエッセイ 「皆で明るく挨拶をしよう会」  (リーチレター 2006年2月号)  財団法人  経済産業調査会  野々内  

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